トーン・スケールについてわかる一番単純なことは、このスケール上で自分が固定されている位置よりもずっと高い位置からのコミュニケーションには、反応するのが難しく感じられるということです。熱狂の状態にいる人が、無気力な状態の人に力を貸そうとして話しかけても、恐らくあまりうまくいかないでしょう。このような両極端にあるレベルのギャップを埋めるのは、トーン・スケールを理解していない限り、簡単ではありません。
しかし、トーン・スケールの知識を使えば、相手より半トーン、または1トーン上の感情がわかるでしょうから、そのトーンでコミュニケーションを取れば、相手をより高いトーンに引き上げることができます。段階を追ってこのスケールを昇っていくように導くことで、人が固定された状態を克服し、物事に対するより明るく生き生きとした見方を取り戻すのを手助けできるのです。
トーン・スケールは、生きていく上で、またそこで経験するさまざまな関わりにおいて、非常に価値あるものです。ハバード氏は人間の振舞いを徹底的に研究し、この分野での彼の仕事の全体を通じて、人々の態度や振舞いについて正確に述べています。人のトーン・スケール上の位置を知ることで、その人がどのような行動に出るかを正確に予測できます。
トーン・スケールを知ることで、自分の周囲にいる人々のことを今までになかったほどよく理解できます。これは、人々がより良い状態へと向上する手助けをする真の技術です。